杏林大学 医学部化学の傾向と対策

杏林大学医学部-化学の傾向と対策

杏林大学 医学部化学の傾向と対策

今日は、杏林大学医学部出題分析を書かせて頂きます。

2018年に杏林大学医学部の卒業式卒業生総代になったのは医学部特訓塾の卒業生でした。

彼女は高校時代文系クラスにいたため、入塾時は数学、化学が完全未修でした。

残念ながら1年目は合格できませんでしたが、合格保証制度を使い2年目も通塾し、見事、正規合格を果たしました。

そんな思い出深い杏林大学医学部特訓塾からも比較的近く2019年の春にもきっちりと進学者がでました。

露骨な多浪、女子差別は無いようですが3浪女子だった彼女からの報告では入学してみたら、周りは現役、1浪だらけだよ!と言っていました。

そんな杏林大学の化学の分析をしてみましょう。

 

 

杏林大学医学部 化学の出題分析

(0)はじめに

2019年の特徴は、これまであった「全て選べ」から「2つ選べ」「1つ選べ」のように

個数を確定した選択問題のみとなったことです。受験生的には相当楽になったのではないかと思われます。

 

(1)2019年

第1問        小問集合

 

問1 金属の結晶格子の基本知識

問2 水素化合物の沸点

 

センター試験でもおなじみの問題です

問3 コロイドの凝析 基本問題

問4 ルシャトリエの原理 基本問題

問5 熱の基本問題

問6 オキソ酸 定義レベル

問7 マグネシウムについての知識問題

問8 水素、メタンの捕集法

問9 フェノール性ヒドロキシ基の検出 超基礎

第2問

問1 (1)ハロゲンの反応 (2)酸化数 (3)半反応式

(4)イオン化傾向・金属イオンの沈殿

問2 酸化還元

(5)不適切な値になる原因 についてはこの他に、

器具がぬれていた場合などの議論もありますが,これらは模試でも頻出だから、しっかり復習して試験に臨んで欲しい。

第3問 アミノ酸

基本問題ばかり問3の電気泳動も頻出問題 問4の計算が受験生にとっては少し骨があるかもしれない。

時間は短いが計算量を考慮すれば,何とか間に合うレベル。合格点は70%くらいだろう。

 

(2)2018年度

第1問

問1 平易だが、「すべて選べ」と言われると難しく感じますね。

問2 錯イオンの色と形は基本問題

問3 知識レベルが低いため、間違うわけにいかない問題だが「全て選べ」は辛いだろう。

問4 ペプチドを読み取るだけ。平易。

問5 センターレベル。平易。

でも「全て選べ」なんだよね。

問6 平衡定数

問7 塩の液性 教科書レベルだから「全て選べ」でも平易。

問8 結合エネルギー

受験生には「すべて選べ」の難しさがあると思う。

問9 溶解度 平易

問10 物質の三態 平易

第2問 電池電気分解

問1 電池の基本。

(3)の二次電池選びは重要なので必ず復習しておいてほしい。しかも「全て選べ」(笑)。

問2 電気分解の基本。

第3問 浸透圧

浸透圧の問題は十分に準備をしておけば、点取り分野である。問2は準備の差で差がつくだろう。

第4問 有機

芳香族アミン、アゾ化合物に関する問題。知識レベルも高くないので満点を狙いたい。

「すべて選べ」の難しさで、失点はある程度やむを得ない。

合格最低ラインは65%。

 

(3)2017年度

第1問 二段階滴定

超典型問題だから、十二分に準備している受験生にとっては

満点通過しかありえない大問です。

ここで差をつけられてしまうような受験生は、次年度、医特に通い私の指導を受けるべきです(笑)。

第2問        芳香族の分離・高分子

問1 塩になれば水槽、そうでなければエーテル層、

というのが有機の分離の定番だが,「アミノ酸は水によく溶ける」という基礎知識が

プラスされている。まあそれだけだし、あとは有機の基本的な知識を問う問題。ここは落とせない。

問2 ゴムの知識・重合度

重合度の計算は平易。アセチレン2分子から1,3-ブタジエンが生成する。

アセチレンの3分子重合でベンゼンは知ってるけど2分子重合はしらない、というのでは

 

指導者が悪いのか、それとも全く自分で復習ができないタイプなのかを見極める必要がある。

 

計算も立式は平易。最低限の思考力があれば正解できるはず。

第3問 無機

(1)(2)融解塩電解により得られる金属単体は、イオン化傾向の大きな金属。

イオン化傾向が小さければ水溶液の電気分解で得られる。医特生でこんなことが出来ない生徒はいないと思うが、

塾外生でこの辺の知識があいまいな方は30分もかからないはずなので、

金属の製法をお手持ちの資料集などでまとめておくことを強く強くお勧めする。

(3)アルカリ土類金属とMg,Beとの違い,

2族化合物の性質これらはセンター試験前に完璧にしておくべき内容。

「すべて選べ」の難しさだけが問題だ。

(5)熱の計算だが、内容は基本。確実に得点しなければならない。

(6)   乾燥剤については無機の基本ともいえるテーマ。

間違う訳にはいかない。

第4問 反応速度

(1)~(3)グラフの読み取りと反応速度の定番問題。私のYouTube講義を視聴するだけでも正解できる。計算量も少なく満点通過できる。

(4)速度定数を上げる条件、は予備校できちんと習っているはずの基礎知識。試験場で出会えればおいしい問題。

2017年の問題

理論が典型問題ばかりでやりやすかったと思う。

合格ラインは70%。

正当な受験勉強を積み重ねれば杏林の化学は確実に合格点に届く良い試験問題だと思う。

 

 

(4)まとめ

杏林は年度によってはそこそこ骨太な理論の問題が出ることがあるが、

全体的には典型的な基本問題が出題される。

2018年のように「すべて選べ」だらけだと受験生には相当辛くなる。2019年の傾向が続くことを祈るばかりだが、

今年「すべて選べ」が復活するようだと,通常学習時から,何故そうなるのか?

ということをしっかりと根拠をもって学んでいかないと試験場で知識の薄っぺらさが露呈してしまうだろう。

これを読んで下さった受験生の方が実力を発揮し、合格を勝ち取ることをお祈り申し上げます。