東海大学医学部の傾向と対策

東海大学医学部-化学の傾向と対策

東海大学医学部化学の傾向と対策

今回は非常に人気のある東海大学医学部化学の入試問題分析を

行います。東海大学は多浪生差別がないと言われるし,

理科は1科目で良いということもあり,超人気校です。

実際に医特からも多浪女子が合格しています。

化学は平易ですが,他の受験生にも同じですから,偏差値換算を踏まえると高得点が必要です。

だから、各設問ごとのコメントは厳しめにしてあります。

東海大学の試験は2日間ありますが,赤本には2019年は2日目、

2018年は1日目しか収録されていないため、赤本に収録されている問題についてのみ言及します。

ちなみに例年5題の大問が6題に増えていました。

ただそれだけです。簡単なものは簡単です、としか言いようがありません。

 

(1)2019年度 2日目(1日目より平易です)

第1問 ケイ素

問3 輝石の組成式は図から読み取ろうと思うと、

二酸化ケイ素と混乱してしまう受験生も多いと予想される。

図をみてOに気づいたり,陽イオンという記述から,

SiO32-に気づくかもしれないが,現役生あたりだとなかなか難しいだろう。

それ以外はすべて基本レベルの出題。他は間違えてはならない。

第2問 塩素の製法,塩のpH

問2 次亜塩素酸が弱酸であることに気づけば,

単なる塩の加水分解の問題に過ぎない。

加水分解定数KhがKw/Kaとなることは

受験生の常識だし,塩のpHの求め方も公式化できていて当然。

ネタがいつも通りでないことに驚かなければ第2問は満点とって当たり前の問題。

3 平衡定数

問1 平衡定数では固体は無視することは,センター対策問題集程度でも学習済みだと思う。

医学部受験生としては,ここは落とせない。

問2 平衡移動の問題。

固体が絡むときの処理は医学部受験生なら

必ず典型化できていなければならない。

問3 温度が絶対温度に比例することから,

炭酸カルシウムが全て分解することで

得られる二酸化炭素の圧力と温度のグラフは直線になることが分かる。

2点を取り結んだものとグラフの交点を読み取ればよい。

これは同じ2019年の埼玉医大の蒸気圧の問題と同様の議論の立て方だね。

問3の(2)の処理に時間がかかると判断し,回避するという選択はアリ。

本設問以外は満点取らねばならない。

第4問 燃料電池

問2は問題文に答えが書いてあるようなもの。この程度の判断力がないと苦しい。

問4は頻出事項ではないので、1ミス通過か。本問の知識がなくてもコークスと高温の水蒸気から

水性ガスを作る基本知識があれば想像できるが、現役生には難しいだろう。

医特生は年間の演習の中で必ず触れているから思い出せたと思いたい。

第5問 有機化学

問1 ベンゼンの置換反応から

側鎖の過マンガン酸カリウム酸化という

教科書レベルのお話。

選択肢にも奇抜なものがなく、確実に得点できねばならない。

問2(1)ポリアセチレンは白川先生の導電性高分子として必須の知識。

この設問で、ポリビニルアルコールを選ぶようではセンター試験レベルすら危ういということ。

(2)浸透圧の計算から分子量が分かり重合度が求められる超基本問題。

(3)(4)陽イオン交換樹脂の超基本問題。

6 気体・熱

問1 基本レベルの問題。迷うところはない。

問2・3 いずれもセンターレベル。落とすわけにはいかない。

2019年2日目の問題に関する講評

問題はいずれも平易です。減点は小問で3つ以内にしたい。

時間も70分あるので,問題量が多いことは全く言い訳にならない。

東海で化学を選択するのであれば、偏差値換算を考えれば,8割は欲しい。

取れるところでミスする生徒には不向きです。

 

(2)2018年(1日目)

第1問 周期表と電子配置

教科書レベルの基本的な問題医学部受験生なら、繰り返し問題演習をして定着しているべき知識ばかり。

個数問題もみえみえの選択肢ばかりなので落とせない。

第1問で失点する受験生は、

医特のように徹底的に知定着出来るまでしつこくテストをする予備校に通うべき。

 

綺麗ごとだけでは同じことの繰り返しになりますよ。

第2問 オストワルト法とル・シャトリエの原理・熱化学

どれも平易な出題。落とせない。

第3問 COD

問題文のどこにもCODとは書いていないけれど、ブランクテストあり、のCOD。

「医学部特訓塾チャンネル」の私のYouTube動画で

CODは丁寧に解説しているので、これが難しい人は必ず視聴してください。

できればチャンネル登録と高評価も(笑)。

私は言い続けていますが、今の医学部入試ではCODは常識化しないとダメ。

常識化して素早く正解するレベルまで鍛え上げないといけない。

第4問 糖

すべてセンターに毛が生えた程度の標準的な問題。

第5問 小問集合

問1 体心立方格子の基本問題

問2 理想気体の性質(平易)

問3 金属イオンの沈殿(超基本)

問4 有機構造決定

分子式をみて,C4H2O3

これに水を加えてC4HO4

さらに水素付加してC4H6O4と来れば

 

無水マレイン酸→マレイン酸→コハク酸の流れですから、演習量がモノを言いますね。

全体的な問題量は多いが、70分あるのだし、得意な方の1科目選択だし、

問題も平易ですから、8割超えを目指したい。最低でも75%は越えないとマズい。

東海大学は問題が平易であるが故、力がない生徒の逆転は難しい。

高得点が必要なので徹底的に穴をなくす作業と問題をどんどんこなしていく勉強が重要。

本質がどうたらこうたら語るのもいいがそれは耳あたりが良いだけで点は取れない。

普通の能力の受験生であれば定着させるような勉強が一番効率的

徹底的に穴をなくし徹底的に問題量をこなせば

東海の化学は9割取れる試験です。

受験生諸君の健闘を祈ります!