2024共通テストの分析と2025入試の予想 新課程について

2024共通テストの分析と2025入試の予想

医学部特訓塾代表の本田です。2024年の共通テストを分析して分かったこと,新課程入試がスタートする2025年度の医学部入試がどうなっていくのか?についてお知らせします。

目次

1 共通テストの受験状況と国公立大学医学部入試

(1) 共通テストの志願者数は減少している
(2) 国公立大学医学部の志願者数は増加している
(3) 私大医学部専願者の共通テスト離れ

2 新課程入試を高卒生はどうとらえるべきか

(1) 模擬試験で「旧課程」問題があるから安心なのか?


1 共通テストの受験状況と国公立大学医学部入試

(1) 共通テストの志願者数は減少している

大学入試センターの発表によると,2024年の共通テストの志願者数は457,608人で,前年比97%となっております。そして,高卒生の占有率は13.9%と非常に低くなっております。

この数字は,医学部受験の世界とは異なって,大学入試全体では,高校生が浪人することを避け,合格できた大学にそのまま進学してしまうという,ここ数年の傾向を反映しております。

実際に2020年と2024年を比較すると,浪人生の減少が良く分かると思います。

共通テスト志願者数現役生の志願者数浪人生の志願者数
2020年557,699名452,235名100,376名(18.0%)
2024年491,914名419,534名68,220名(13.9%)

また,共通テスト自体の志願者数も大幅に減っていることが分かります。

(2) 国公立大学医学部の志願者数は増加している

共通テストの志願者数が減少している一方で, 医学部の志願者数は2022年で15,087名,2024年には15,973名となり,明らかに増加しております。

参考までに,歯学部の志願者数も2022年の1,576名が,2024年には1,879名と明らかに増加しています。歯学部は,医学部を諦めて受験する層の受け皿という側面を持っているため,医学部志願者数が増加すれば,同様に歯学部志願者数も増加するという傾向にあり,明確な相関関係が認められます。

つまり,共通テスト志願者数は減少しているが,医学部の志願者数は増加してます。医学部人気は増えており,相変わらず難易度が高い入試になってしまう傾向は続いていることが明らかです。

この30年以上私が入試を分析し続けた結果,判明していることですが,震災を始めとする大規模な災害が起こると,社会の役に立ちたいと考え,医師を志す生徒が増加する傾向にあります。2020年に始まったコロナ禍を経験し,医師の世界を志す若者が増えていることが,医学部志願者数の増加の原因であると考えられます。

 (3) 私大医学部専願者の共通テスト離れ

共通テストを細かく分析すると

7科目以上を受験した生徒前年比99%
3科目以下を受験した生徒前年比93%

となっており,私大専願者の共通テスト離れが顕著になっています。これは受験生全体でのデータですが,医学部志望者に関しても同様な傾向であることが明らかです。

医専予備校の多くは,非常勤講師をやりくりして授業を運営している都合上,メイン科目でない国語や社会科を指導できる先生を十分に確保していないため,国公立大学併願を嫌がり,私大受験に絞らせるような指導を行う傾向にあります。

また,共通テストの独特な出題傾向のせいで,共通テストの対策が立てにくくなっていることからも,医専予備校の共通テスト離れが加速しており,結果として浪人生の共通テスト離れも加速しているようです。(医学部特訓塾では共通テストの指導を従前より実施しておりますのでご安心下さい)

2 新課程入試を高卒生はどうとらえるべきか?

(1) 模擬試験で「旧課程」問題があるから安心なのか?

大手予備校の模擬試験では,浪人生に配慮して,旧課程受講者のための選択問題が用意されます。実際に20245月に実施された河合塾の「第1回共通テスト模試」では,旧課程問題がキチンと用意されておりました。

これをみて,今年いっぱいは,「浪人生は新課程を勉強せず,旧課程を勉強して試験に臨めばよいのではないか」と考える人も多いかもしれません。

しかしながら,その考えは早計です。実際に新課程入試の始まっていない2024年入試でも,例えば東京医科大学医学部の化学の入試問題で,「硝酸アンモニウムの水への溶解は吸熱だが,自発的に進行する。この理由は,溶解によってエントロピー(=乱雑さ)が増大するためである。」という選択肢が出題されておりました。エントロピーやエンタルピーという用語は新課程から高校化学に新たに導入された内容ですから,新課程入試が始まる前年からこのような出題が始まっているということは,新課程入試が始まる2025年入試では,新課程の内容がどんどんと入ってくるということが予想されます。

浪人生が「移行措置があるから,新課程を無視して2025年の入試を乗り越えることが出来る」と考えるのはマズいかもしれません。

私のブログでも今後,新課程の内容を紹介していく予定ですから,そういったものを利用しながら,新課程の内容もある程度学習しておくことが浪人生に求められると思います。医特塾の教材は新課程完全対応型なのでこの点はご安心ください。

また,大学側が現役生を優遇したいと考えた場合,新課程用の問題は易しくして,旧課程問題を難しくすることで,合理的に現役生が有利な入試にすることが出来ます。大学側がこのような作戦に出てきた場合,簡単な新課程の問題を選択して,キッチリと高得点を取らないと不利になってしまいます。

「新課程を勉強するのは面倒くさいから,旧課程だけしか勉強しない」という態度は捨てて,しっかりと新課程にも目を通す必要があると思います。

尚,2025年の共通テストについては後日,別のコラムとして記事をアップさせて頂きますので,そちらをご覧ください。

文責:本田哲生

医学部特訓塾代表。医学部特訓塾の設立の契機となった塾生を国立大学の医学部に合格させたときから数えると医学部受験指導歴25年。化学未修者でも1年足らずで化学を得意科目にさせ,数多くの塾生を医学部合格に導いてきた医学部合格請負人。