復習が大切な理由

復習が大切な理由

医学部受験だけに関わらず勉強した内容を身につけるには、復習が欠かせません。これに異議を唱える人はいないと思います。
しかし、「復習」のやり方やそのタイミングについて熟知している人は意外に少ないものです。
今回は受験生の効果的な「復習のやり方」「復習のタイミング」についてお話を致します。

記憶のメカニズム 〜短期記憶と長期記憶〜

記憶には大きく分けて短期記憶長期記憶2種類があります。

 

短期記憶とは、、

瞬間的にある内容を認識し行動するために行われる記憶作業です。例えばバスや電車の時刻表を見て、何分後にバスが来るんだなと認識してそれに合わせて行動をする場合、バスに乗ってしまえば、何分後にバスが来るのかという情報は削除されてしまいます。

 

長期記憶とは、、、

受験勉強における暗記のように、apple=リンゴのように、ずっと覚えていられる記憶です。

 

 

受験勉強には長期記憶が必須!!

短期記憶から長期記憶へ

全ての学習過程において、私達はまず海馬に記憶を蓄えます。

海馬は記憶を短期的に蓄える他に、記憶がどの程度重要なのかを判断する役割があります。

海馬が必要だと判断すればその内容は長期記憶するようになります。では海馬は何を基準に内容の重要性を判断するのでしょうか?

それは出現回数です。

一定期間以上かつ、一定以上の回数で海馬に出現できれば海馬はその内容を重要だと判断し長期記憶に移動させます。単に回数だけではないのです。

医学部受験で勝つためには、短期記憶のままで終わらせずにしっかりと長期記憶にする必要があります。

 

一日の中で100回出現したことでも、その後全く出現しなければ、海馬はその内容を長期記憶のカテゴリーには移動させません。

また、一旦長期記憶のカテゴリーに入れたことでも長期間使用されなければ不必要なものとして長期記憶カテゴリーから抹消されることもあります。これは人間の防御システムでもあります。

例えば悲しい思いをした場合、人はその感情に振り回されてしまいますが、他のことに気を取られその悲しい思いに触れない時間が続けば、その記憶は長期記憶のカテゴリーに入らず、悲しい思いを忘れることが可能となります。そうしないと私達は悲しい記憶に押しつぶされてしまいます。

たとえ大きな悲しみに襲われそれが長期記憶のカテゴリーに入っても、何年もそのことに触れないでいるといつの間にかその記憶は長期記憶のカテゴリーから外れ、悲しみは風化していきます。

これが記憶のメカニズムです。

長期記憶にするためにもしっかりと復習をしましょう!!

受験勉強における効果的な復習のタイミングとは

記憶のメカニズムを考えると、復習が必要不可欠であることは認識できます。

学んでから最初の1週間は頻繁に繰り返して、学習内容を長期記憶のカテゴリーにその学習内容をうつさなければなりません。

予備校などであれば、授業で学んだことを1週間の中で数回反復することが必須となります。

さらにその内容を定期的に出現させ、海馬がその内容を長期記憶カテゴリーから外すことを阻止しなければなりません。

学習してから試験までの間である一定のスパン以内に同じ内容が出現するようにすることが非常に重要になります。

つまり、学習をした直後の1週間に数回見直して長期記憶カテゴリーに移動させ、一定期間ごとに同じ内容を繰り返し、記憶カテゴリーから消去させないという作業が受験勉強には必要になります。

はじめの1週間で短期記憶から長期記憶へ

学んだ内容は始めは短期記憶カテゴリーに属するので、学んだ瞬間から忘却の対象となります。

1日以内に復習すると同じ内容を記憶しなおすためには最初に学んだ時の約20%の労力で済むのですが、2日以上あけると最初に学んだ時の80%の労力を再びかける必要があると言われています。

つまり、学んだことはその日のうちにもう一度復習をしてしまうことで少ない労力で2回目の出現を海馬に認識させることができます。

さらに同じ週の中でもう1回~2回反復をすると、学習内容はいったん長期記憶カテゴリーに移動します。

塾や予備校で授業を受けた場合、必ずその日のうちに復習をすること、そして1週間の中でさらに2回くらいその内容を出現させることが重要なのです。

年間3~4回やり直すことが必要

一度長期記憶した内容は、2~3か月おきに同じことをやり直すことで海馬がその学習内容を長期記憶カテゴリーから追放することを防ぎます。

受験勉強ということで考えれば同じ内容を年間で3〜4回繰り返すことが必要になります。

受験は1年間という限られた時間です。医学部などの難関校を目指す受験生であればより多くの内容を記憶しなければなりません。

しっかりと年間計画を組み立て、効果的に学習できるようにしましょう。

 

 

 

 

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