2025年杏林大学医学部入試直前予想

 杏林大学医学部は,JR吉祥寺駅,JR三鷹駅からバスで約15~20分程度の距離にあり,京王線の仙川駅や調布駅からもバスでほぼ同様の距離にある好立地で,受験生には人気の大学です。2025年の入試では,1月23日木曜日に実施されます。私大入試の3日目で帝京大学医学部の1日目と重なる日程となっております。今回は,過去のデータを分析し,杏林大学医学部の入試を占うと同時に,今年度の医学部受験生の迷いどころとなっている,杏林を受けるべきか,帝京を3日間受けるべきかという悩ましい問題について,参考にして頂ければ幸いです。

目次[非表示]

  1. 1.2025年度の杏林大学医学部の志願者数を予想する
    1. 1.1.帝京大学医学部と入試日程が重なった大学の志願者数はどう変化するか
    2. 1.2.かつての聖マリアンナ医科大学のケースに学ぶ
    3. 1.3.かつての北里大学医学部のケースに学ぶ
    4. 1.4.杏林大学医学部に2025年度志願者数予想の結論は?
  2. 2.2025年度の杏林大学医学部の入試問題予想
    1. 2.1.英語
    2. 2.2.数学
    3. 2.3.化学
    4. 2.4.物理
    5. 2.5.生物
    6. 2.6.小論文
    7. 2.7.面接
  3. 3.まとめ


2025年度の杏林大学医学部の志願者数を予想する

杏林大学医学部の過去3年間の志願者数は,2975名で,2022年度の2649名,2023年の2933名,2024年の2975名と微増を続けております。一方、正規合格者倍率は,2022年度が13.2倍,2023年度が13.0倍,2024年度が13.2倍とほぼ横ばいです。
しかし,この3年間については, 杏林大学医学部は単独日程(他校と入試日程が重ならない)だったのに対し,今年は帝京大学医学部の初日と重なっており,その影響が懸念されます。


帝京大学医学部と入試日程が重なった大学の志願者数はどう変化するか

帝京大学医学部は,受験科目が英語が必修で,それ以外の2科目を国語,数学,物理,化学,生物から選べるという独特の形式で,その受験のしやすさから非常に人気の高い大学です。では,帝京大学と入試日程が重なると競争倍率がどう変化するのかを,2022年,2023年,2024年を用いて分析してみます。

かつての聖マリアンナ医科大学のケースに学ぶ

2022年は,聖マリアンナ医科大学が帝京大学医学部の2日目と重なりました。2023年は聖マリアンナ医科大学の入試日程は愛知医科大学と重なっていますが,地域が大幅に異なるため影響は帝京大学と比べると小さいと思われます。2024年は聖マリアンナ医科大学は単独日程となっております。では,実際に志願者数の推移を見てみると2022年は1867名,2023年は2354名,2024年は3210名と日程の重なりの影響が小さくなるほど,志願者数は増加していることが分かります。特に帝京大学医学部と重なった2022年は2024年と比べると1300名以上も少なくなっています。

かつての北里大学医学部のケースに学ぶ

2023年,2024年には,北里大学医学部が帝京大学医学部と重なりました。北里大学医学部は,2022年は近畿大学医学部と重なっていますが,地域が離れているため影響は少ないと思われます。実際の志願者数の推移を見てみると,2022年が2178名,2023年が2016名,2024年が1995名となっており,2022年と比べると150名以上の志願者が減少していることが分かります。
聖マリアンナ医科大学と比べると北里大学医学部の受けている影響は少ないですが,帝京大学医学部と入試日程が重なる場合は確実に志願者数が減少するであろうことが過去3年のデータからは分かります。

杏林大学医学部に2025年度志願者数予想の結論は?

以上の分析から,2025年度の杏林大学医学部の志願者数は、帝京大学医学部と重なっていて、なおかつ、同じ首都圏で、偏差値帯も近い医学部であるため、受験生を分け合うことになり、相当数減少するであろうと予想されます。


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2025年度の杏林大学医学部の入試問題予想

英語

杏林大学医学部の英語の試験時間は60分。解答形式は正しいものを選択するというマークシート形式です。
出題数は大問が4題で,大問1が空所補充10問,大問2が語句整序5問,大問3が文整序5問,大問4が読解問題という形式はここ数年変わりません。
読解問題も短め(400語~500語程度)の英文が2つで設問数が5問ずつと同じ形式の出題です。読む文章の長さは短めで,過去問を通じて対策をしておけば,制限時間内に全てを回答することは十分に可能ですし,難易度に関しては、やや易化傾向にあると言えます。
長文の内容としては、「男女の医師による治療結果の違い」「コロナワクチンについて」など医療系の話題、および「グラフの歴史」「人間の言語」など、医療系以外の話題も出題されています。
杏林大学医学部の特徴的な出題としては,大問2の文整序問題が挙げられます。他大学とは違い,選択肢として与えられる各文をすべて並べ替えなければならないので,正確に文章の順番を当てなければなりません。接続表現や代名詞の呼応、冠詞の使い方などを手がかりにして,問題に取り組む必要があります。
また、会話文の整序も出題されるので,発話者の入れ替わりに注意して解くことを心がけてください。会話特有の表現や,付加疑問・否定疑問などの応答に注意して勉強することをお勧めします。

数学

杏林大学医学部の数学は2024年から制限時間が60分から70分に変更になりました。全てマーク形式で回答します。2021年以降は大問が3題と同じですが,試験時間が10分長くなったとはいえ,試験時間内に全ての問題を回答することは難しいので,自分にとって解きやすい問題を選ぶ力を養っておくことが重要です。
2024年にはベクトルが出題されていませんが,2年連続でベクトルが出題されなかった例は過去10年間で1回しかなかったので,ベクトルが出題される可能性は極めて高いだろうと予想できます。


化学

杏林大学医学部の化学は理科2科目で100分ですから,1科目当たり50分と計算して考えられます。大問数は2024年が大問4問ですが,2018年以降は隔年で大問数が3問,4問と入れ替わっています。この法則が続けば2025年は大問が3題となるはずですが,こればかりは問題冊子を開いてみなければ分かりません。
問題の難易度は平易で,7割は得点しておきたいところです。


物理

杏林大学医学部の物理は例年大問が4題と出題形式は固まっています。形式はマーク形式で,正解を選択する形式がほとんどですが,実際に数値を入れる問題も出題されています。2科目で100分ですから,制限時間を50分と考えると制限時間に対し問題量は多めであるといえるでしょう。
杏林大学医学部の物理に打ち勝つためには,スピードと正確性が重要です。出題は全分野からなされているので,まんべんなく学習をしておく必要があります。この10年は問題の難易度も以前に比べると下がっており,標準問題を完璧にしておけば合格点は取れるでしょう。

生物

杏林大学医学部の生物はここ数年,大問数が4題となっています。形式はマーク形式で,制限時間は2科目で100分ですが,1科目当たり50分と考えても妥当な分量であると言えます。例年計算問題も数題出題されていますが,標準的な問題集で目にする程度の問題なので,予めしっかりとトレーニングしておけば十分対応可能です。出題範囲は全分野から幅広く出題されている。標準的な問題集をしっかりとやり込んでおくことが合格点を取る近道であるといえよう。

小論文

杏林大学医学部の小論文は2次試験として出題されます。
制限時間は60分で,「〇〇」ということについて800字程度で論じて下さい,という形で出題されます。
 2024年は,
面接の1日目 「内面と外面」について論じて下さい
2日目の面接 「信じる」ということについて論じて下さい
共通テスト利用形式 「仕事と趣味」ということについて論じて下さい
という内容でした。
 2023年には「情けはひとのためならず」2022年には「朝令暮改」というように最低限の語彙力が無ければ回答できない問題も出題されているので,これらが難しく感じる人は語彙を増やす対策を立てる必要があるでしょう。抽象的な言葉が出題されているのですが,そこを医療の話題に上手につなげることが出来るようであれば,高得点も望めるのではないかと思います。そういう意味では,常に自分がどのような医師になりたいのか,医師としてあるべき姿など,常日頃から考える習慣をつけておくことが望ましいですね。

面接

杏林大学医学部の面接試験は個人面接形式で,面接官は2名です。小論文を書く前にアンケートを記入します。アンケートでは,自己PR,クラブ活動,大学に入ったらやりたいことなどを聞かれるようです。
面接ではアンケートに書いたことからの質問もあるので,当然のことながら,質問の内容を想定して書くべきです。それ以外にも,医師志望理由,本学志望理由,趣味や特技,入学後に何がしたいか,だとか,救急車の有料化についてどう思うか,世界と比べた日本の問題点は何か,医師は大変なことが多いが大丈夫か,なども聞かれたようです。
また,多浪生に関しては,なぜ何年も浪人してしまったのか,などを聞かれることは当然想定しておかなければなりません。面接に関しては面接官によっては厳しい質問をされる場合があるので,圧迫面接の対策をしておくことが望ましいです。

まとめ

以上,杏林大学医学部の出願者数動向や入試問題の傾向などを分析, 予想してみました。
2025年一般入試では,杏林大学医学部は帝京大学との日程の重なりにより,出願者数が減少することが予想され,例年よりも合格しやすくなると思われます。また,英語や化学が易しめであるということは,ある程度英語や化学がしっかりと取れる自信がある受験生にとっては,他の受験生に対し差をつけやすいという利点があると思われます。
また,入試問題を持ち帰ることが出来るため,医学部特訓塾の当ウエブサイトで即日発表される解答速報を利用して自己採点することで,実際の入試問題に自分がどの程度通用したのかを確認すると同時に,以降の入試に対し,修正すべき点を見つけ出し,対策を立てることも可能になります。
また,杏林大学医学部では,補欠候補者に対しては番号が発表されることや寄付金がないことからも相当クリーンな入試を運営していることが明確です。そういった観点からも杏林大学医学部を受験することを私はお勧めしたいと考えております。

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本田 哲生
本田 哲生
医学部特訓塾代表。化学科講師。東京大学教育学部卒業。東京大学理科二類に在籍中の1992年から,杉並区阿佐ヶ谷の地で大学受験の専門塾を設立。30年以上,大学受験の指導を続けている。どうしようもないダメな生徒を自宅に下宿させ国立大学医学部に合格させたことを契機に,医学部受験指導を開始,医学部受験指導も23年に及ぶ。2008年に小柏先生と共に医学部特訓塾を立ち上げ現在に至る。医学部特訓塾代表であり,同時に現場に立ち続ける化学講師でもある。

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