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2026 東海大学一日目解答速報

東海大学 1日目の化学の解答速報です。

色々な予備校の解答速報がありますが、ぶっちゃけ答え合わせして何割取れたー。勝った!負けた!

なんて程度にしかほとんどの受験生の皆さんは使いませんよね?

医特生では問題をもってきて目の前で解説してもらう子が沢山いて、それはそれで良いのですが

じゃあそれ以外の受験生には解答速報って何の役に立つんだろう・・・と疑問に思い始めました。

私は化学の講師をやっています。そしてメルさんと協力して解答速報を作成していますが、

答しか載せてないから、受験生の役に立つような解答速報じゃないよなーと毎回思ってしまいます。

だから、医特のサイトに来てくれた方には今回の受験をしていなくても

「読めば意味のある」そんな解答速報を書こうと思いました。

だから、問題をそのまま載せるのはマズいかもしれないから、読めばどんな問題だったかがわかるような

そんな記事にしました。ぜひお役に立ててください。

1 大問1 化学基礎範囲の小問集合

問1・2は易しい原子の構造に関する問題。陽子数,中性子数,質量数,電子数などの概念が分かっていれば

誰でも正解できなければいけない問題

問3 同位体の存在率を計算させる問題。原子量は各同位体のモル質量と存在比を掛け合わせたものの合計と等しいと立式は簡単だが,扱う数字が桁が多く面喰う受験生は多かっただろう…

問4 放射性同位体が放射線を放出して他の元素になることを「壊変」という,という知識を聞く問題。

問5 β壊変に関する問題。医特では7限演習で何回繰り返したか分からない位やり込んだ問題。

    β壊変では中性子が電子を放出して陽子に変化するから,原子番号が1増えて質量数は変わらない,ということを知っていれば楽勝。

2 第2問 気体の計算

問1 水素と窒素からアンモニアを合成する工業的製法を「ハーバー・ボッシュ法」という。

   触媒は四酸化三鉄を主成分とする。工業化学の名前と触媒に関する出題は先日の東京女子医科大学でも出た気がする。これからも要注意ですね。

問2 結合エネルギーを用いて,窒素と水素からアンモニアを生成する反応のエンタルピーを求めさせる問題。

   同じ日に試験のあった杏林でも同じ問題があったぞ!!

問3 ある温度で5Lの容器に窒素2モルと水素5モルを入れて触媒存在下で放置すると5秒後に水素が0.03モル減少した。この5秒間でのアンモニアの生成速度を求めろという問題。

生成したアンモニアは0.02モルだから,アンモニアのモル濃度は0.02mol/5L=0.004mol/L

5秒間で濃度が0mol/Lから0.004mol/Lになったから,

V=(0-0.004)mol/L ÷ (05)s = 8.0×10^-4 mol/Ls

という基本中の基本が出来ていれば楽勝問題。

問4 水素と窒素からアンモニアが合成される反応で,横軸が時間,縦軸がアンモニアの体積百分率のグラフ

  が与えられている。温度を上げたらグラフはどうなるのか?温度を下げたらグラフはどうなるのか?

触媒を加えたらグラフはどうなるのか?を聞く問題。

そっくりの問題が同日の杏林大学医学部にも出題されている。流行っているなぁ!!

温度を上げると反応速度が上がるから,立ち上がりのグラフの傾きが大きくなる。でも,発熱反応だから,平衡が左に移動するので,アンモニアの体積百分率は低下する。そういうグラフを選べば良い。

温度を下げると反応速度が下がるから,立ち上がりのグラフの傾きは小さくなるが,平衡は右に移動するのでアンモニアの体積百分率は上がるので,最初に与えられたグラフよりも上までいく。

触媒は反応速度を上昇させるが平衡には影響しないので,序盤のグラうの分かっていれば、まあ余裕ですな。

問5 密閉容器に窒素と水素をそれぞれ分圧が2.0 MPa5.0 MPaになるように入れ、触媒存在下である温度に保ったところ全圧が5.0MPaになって平衡に達した。平衡状態におけるアンモニアのモル分率はいくらか?

   「温度,容積が一定であるとき,分圧をモルの様に扱うことが出来る」という医特だと4月の開講前に開かれる「開講準備講座」でもやるような内容。

      N2  +   3H2    ⇄   2NH3

     反応前   2.0        5.0             0          

     反応  -x  -3ⅹ     +2x       合計

  平衡時   2-x       5-3x              2x       7-2x   =  5  これを解いてx=1

    だから,平衡時,全圧が5MPa アンモニアの分圧は2MPaとなる。従ってアンモニアのモル分率は

  2/5=0.40 と分かります。

3 第3問 無機・化学平衡

 

問1 石灰石や大理石に塩酸を加えて二酸化炭素が発生する化学反応式を書かせる問題

CaCO3 + 2 HCl → CaCl2 + H2O + CO2  医特生なら誰でも書ける超基本。

問2 二酸化炭素に関する正誤問題 正しいものの個数を選ぶ

  ア 二酸化炭素は空気中に0.4%存在 →  0.04%だよね  誤

  イ 重曹を加熱すると二酸化炭素が生じる 正

    重曹は炭酸水素ナトリウム。 2 NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2

  ウ 二酸化炭素は上方置換で捕集 → 二酸化炭素は下方置換  誤

  エ 二酸化炭素を石灰水に入れると白濁 正

    Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O

    オ 二酸化炭素は酸性酸化物であり,塩基と反応して塩をつくる 正

問3 二酸化炭素を1.0Lの水に5.0×10^-4 mol溶かした溶液についての問題

(1)二酸化炭素を溶かした溶液のモル濃度をCxとし,電離度をαとする。α≪1,第一電離の電離定数はK1とする。このときαを表す式を選ぶ問題。 

→問題文にも書いてある通り第二電離は無視するから,酢酸の電離と同様に考えれば良いね。

       α=√(K1/Cx)

   (2)この溶液のpHを求めよ。

     [H^+]=(CxK1)=5×10^-5 ゆえ,pH=-log5×10^-5=4.3

      (3) [HCO3^-/CO3^2-]を求める問題。

      K2=[H^+][CO3^2-] / [HCO3^-] に[H+=5×10^-5 K2=5.0×10^-11 を代入するだけ

      簡単に1.0×106倍だと分かる。

4 第4問 有機化学

問1 ベンゼンの構造は「ケクレ」が提唱した。

問2 ベンゼンに混酸を加えて加熱した後,ビーカーの冷水に注ぎ入れるとニトロベンゼンはどうなるか?

  →油状のニトロベンゼンが生成してビーカーの底に沈むね。ニトロベンゼンは水よりも重い液体。

問3 トルエンに混酸を加えてニトロ化すると,主に「0-ニトロトルエン,p-ニトロトルエン」が生成しさらに高温で反応させると2,4,6-トリニトロトルエンが生成する。という基本問題。出来上がりが書いてあるのだから配向性を覚えていなくてもo,p配向だと明らかに分かるはず。

問4 2,4,6トリニトロフェノールは「ピクリン酸」という慣用名があるね。それを聞いているだけ。

問5 トリニトロセルロースに関する正誤問題

  a トリニトロセルロースは硝酸エステルである 正

  b トリニトロセルロースの一部を加水分解するとジニトロセルロースが得られる 正

  c トリニトロセルロースは硝化綿の主成分である 実はこの問題、正誤が微妙です。

   →ニトロセルロース全般を硝化綿というなら完璧な〇ですが,必ずしもすべてのヒドロキシ基が硝酸エステル化されたトリニトロセルロースだけのことを言う訳ではないんですよね…そこをつけば誤ともいえます。トリニトロセルロースを強綿薬,ジニトロセルロースを中心としたのが弱綿薬,硝化綿というのはこれらを総称しているからトリニトロセルロースが主成分というのはかなり言いすぎかとも思います。

    d  トリニトロセルロースをシュバイツアー試薬に溶かし薄膜状にするとセロハンが得られる 誤

    →ビスコースを希硫酸に押し出すとセロハンが得られます。ビスコースを作る流れには硝酸エステル化する流れはありません!!

e トリニトロセルロースの化学式は[C6H5O2(ONO2)3]n である。 正

第5問 高分子

最初にいくつかの合成高分子の原料と主な用途がかいてある表が与えられています。

ア スチレンとp-ジビルベンゼン

イ 塩化ビニル

ウ メタクリル酸メチル

エ テレフタル酸とエチレングリコール

オ ビスフェノールAとホスゲン

カ フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン

キ 尿素とホルムアルデヒド

付加縮合で合成される熱硬化性樹脂の数は? キの尿素樹脂のみ

合成高分子の中でCHO以外の元素を含むものは? 

→イのポリ塩化ビニル(Clを含む) カのPVDF-HFP(Fを含む) キの尿素樹脂(Nを含む)

問2 陽イオン交換樹脂に濃度不明の硫酸ナトリウム水溶液を10mL通したのち十分水をながし流出液をすべて回収した。これを0.05mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ中和に8.4mLを要した。

硫酸ナトリウムの濃度を求めよ。という問題

→硫酸ナトリウムは陽イオン交換樹脂を通り,硫酸になる。これと水酸化ナトリウムの中和の計算をするだけ。

 0.021mol/Lとなる。

問3 平均分子量1.0×10^4の合成高分子化合物ウ(ポリメタクリル酸メチル:分子量100です)の重合度を

求めよという問題。

 →医特生ならポリメタクリル酸メチルの構造式はさんざんやってきているから書けるはず。だから分子量が

100だと気付いてくれますね。重合度は100です。

問4 オの構造式を書けという問題。オはポリカーボネートだけど,教科書に出ていません。

残念ながら医特のテキストにも書いていなかった。2026年版には載っています。ごめんなさい。

   今年の東海大の一日目で医特生がミス以外で落とすとしたらここだけのはずです。

問5 合成高分子の中で分子内に二重結合をもたないものを1つ選べという問題

  A 天然ゴム B ブタジエンゴム C クロロプレンゴム 

D シリコーンゴム E アクリロニトリルブタジエンゴム

→ これは明らかにDですね。

以上、東海大一日目の解答速報でした。

本田 哲生
本田 哲生
医学部特訓塾代表。化学科講師。東京大学教育学部卒業。東京大学理科二類に在籍中の1992年から,杉並区阿佐ヶ谷の地で大学受験の専門塾を設立。30年以上,大学受験の指導を続けている。どうしようもないダメな生徒を自宅に下宿させ国立大学医学部に合格させたことを契機に,医学部受験指導を開始,医学部受験指導も23年に及ぶ。2008年に小柏先生と共に医学部専門予備校である医学部特訓塾を立ち上げ現在に至る。医学部特訓塾代表であり,同時に現場に立ち続ける化学講師でもある。

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