日本大学医学部 化学の傾向と対策

日大医学部化学の入試問題は?

今週末に行われる日本大学医学部の入試問題を分析してみました。
こちらは無策で試験場に行くとびっくりしてしまうと思います。
というのも化学に関しては2018年から突然難化してしまい
昨年もその傾向が続いています。だから要注意なのです。
上手に戦って6割を確実に取ってほしいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.2019年の分析
    1. 1.1.溶解度積
    2. 1.2.ごく標準的な有機化学の問題
    3. 1.3.問題文が長いことと
    4. 1.4.見た目は難しいが、やってみると簡単な問題
    5. 1.5.中和滴定とpH
  2. 2.2018年の分析
    1. 2.1.問1 シクロプロパンを置換したものの
    2. 2.2.問2 浮力を考慮するのは生物選択者には酷かも。
    3. 2.3.問3以降 問2さえ通過できれば後は典型問題。
  3. 3.6割で十分合格ライン。

2019年の分析

溶解度積

電離平衡と溶解度積を混ぜた出題で、目新しい。
しかし誘導に乗れば実はさほど計算が重い訳ではない。
でも受験生には酷ですね…。試験場なら一旦飛ばすところかな…。
 1 定義通りに式を作るので楽勝
 2 問題文通りに式代入すれば正しいものが選べる。
 3 日本語力が普通なら大丈夫
ここまで解いて、回避して大問の2に進むのが正しいだろう。

ごく標準的な有機化学の問題

C5H12Oは十分なトレーニングを積んでいる受験生なら
何回も解きこんできた物質なので自信をもって解くことが出来たと思う。
アルケンのオゾン酸化も常識化していなければならない。
ここを落としたら致命傷。

問題文が長いことと

受験生になじみのない問題なので、2の次は4を解くべきだろう。
問題文を丁寧に読んで解かないといけないので捨てても良いと思う。

見た目は難しいが、やってみると簡単な問題

アラニンの立体構造についての設問であるが、完答をめざしたい。

中和滴定とpH

問1 いきなり表が出てきて面食らうかもしれないが、滴定曲線をイメージ出来ればたやすい。
問2 問題文を読みながら解き進めればよいが、pH=4だから[OH-]が無視できるよな、
などと冷静に進められたかどうかがカギになりそう。
問3 近似できない形で数字もややこしく、
ここから先は試験場なら力尽きてしまうと思われる。
差がつかない。6割できれば十分合格ライン。
5割台でも他教科次第では十分合格可能性はある。

2018年の分析

問1 シクロプロパンを置換したものの

幾何異性体、光学異性体の話は医学部受験生なら予備校で
必ず扱っていなければならないレベルの話。ここで落とすようでは予備校の名折れ。

問2 浮力を考慮するのは生物選択者には酷かも。

ここが通過できないと以後全滅の可能性も。

問3以降 問2さえ通過できれば後は典型問題。

2 蒸気圧曲線を絡めた気体の問題
この大問を完答出来なければ合格は難しいだろう。
3 平衡の問題だが、問題文を冷静に読み取る力があれば解ける。第1問は解きたい。
第2問は時間がかかるし正解が難しいので、適当に流しておきたい。
4 文章が長く一見すると難しそうだが、内容は難しくない。
問7は難しく感じてしまうと解けないが、簡単に考えられれば解ける。差がつきそうな問題。
5 有機の問題。二重結合の位置を特定するのに
若干時間がかかるが完答したい。全体的な難易度は高い。


6割で十分合格ライン。


5割台でも他教科次第で十分合格可能性はある。
日大A方式は2018年、2019年と問題が難しくなってしまった。
このレベルの難易度になった場合は、まずは半分をしっかりと確保するために、
問題の取捨選択をして、5割キープしたうえで、上手に残りの問題をつまみ食いしながら
点数を積み上げるべきである。戦い方次第で得点が大きく変わりそうな試験です。
心を落ち着かせ、これまでの努力を実らせていただきたいと思います。
受験生の皆さんの健闘をお祈り申し上げます。







本田 哲生
本田 哲生
医学部特訓塾代表。化学科講師。東京大学教育学部卒業。東京大学理科二類に在籍中の1992年から,杉並区阿佐ヶ谷の地で大学受験の専門塾を設立。30年以上,大学受験の指導を続けている。どうしようもないダメな生徒を自宅に下宿させ国立大学医学部に合格させたことを契機に,医学部受験指導を開始,医学部受験指導も23年に及ぶ。2008年に小柏先生と共に医学部特訓塾を立ち上げ現在に至る。医学部特訓塾代表であり,同時に現場に立ち続ける化学講師でもある。

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