帝京大学医学部 化学の傾向と対策


今回は人気の帝京大学医学部の入試についてその出題傾向と対策について書こうと思います。

目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2.2019年度①の分析
    1. 2.1.〔1〕イオン化傾向・電池・起電力の計算
    2. 2.2.〔2〕異性体の数
    3. 2.3.〔3〕陰イオンの分離
    4. 2.4.〔4〕プラスチック
  3. 3.2019年度②
    1. 3.1.〔1〕   結晶に関する問題
    2. 3.2.〔2〕アルケンのオゾン分解
    3. 3.3.〔3〕希ガス、半減期,電子対の反発による分子の形の決定
    4. 3.4.〔4〕高分子
    5. 3.5.まとめ
  4. 4.2018年度①
    1. 4.1.〔1〕COD
    2. 4.2.〔2〕有機化学
    3. 4.3.〔3〕アルミニウム
    4. 4.4.〔4〕糖
    5. 4.5.まとめ
  5. 5.2018年度②
    1. 5.1.〔1〕電気陰精度
    2. 5.2.〔2〕有機化学
    3. 5.3.〔3〕鉄
    4. 5.4.〔4〕合成樹脂・イオン交換樹脂
  6. 6.まとめ


はじめに

帝京大学は,3科目を選択する試験で国語を含めての選択肢になりますから,
受験生は得意な科目を3つ選んで試験を受けることが出来ます。実際に医学部特訓塾からもかなり前の話になりますが、
元文系の社会人が、英語・国語・生物を使って合格した例があります。
その分,受験生の力は均衡しやすく,選択した科目で勝ち抜くことが必要となります。
3日間の問題の難易度はマチマチで,驚くほど簡単な日もあれば,えらく難しく感じる日もあります。
だから帝京大学医学部に合格したければ3日間連続で受験すべき,と業界では言われております。
実際に医学部特訓塾ではここ数年,毎年,帝京大学医学部に進学者を出してきているので,
彼らが受験の直後にどのようにコメントしていたのかなどの記録から,合格ラインがどの程度かを大胆に予想してみました。
尚、核問題の分析は,受験生が使用する赤本をベースに行います。そのため3日のうちの2日分にコメントします。

2019年度①の分析


〔1〕イオン化傾向・電池・起電力の計算

「ネルンストの式」
という耳慣れない言葉に面食らってしまった受験生も多いと思います。
ただし,冷静に問題文の誘導に乗って式をいじることが出来れば正解に至ることは十分可能です。
でも余程テキパキやらないと時間が足りなくなると思います。

〔2〕異性体の数

自分で物事が考えられる生徒であれば,全問正解が可能ですが,
「公式の暗記が受験勉強だ」、というレベルで勉強している受験生には
問1②あたりでパニックを起こしたかもしれません。

〔3〕陰イオンの分離


標準的な難易度の問題。ここは満点通過したい。


〔4〕プラスチック

合成高分子に関して十分な知識が固まっていれば,本問は簡単です。
最後の陽イオン交換樹脂の計算も何とかなると思います。
知識量の差が点差に直結する出題です。合格点は70%程度ではないかと思います。

2019年度②


〔1〕   結晶に関する問題


典型的な問題ばかりです。ここは満点通過したい。


〔2〕アルケンのオゾン分解

問1・2は基本問題
問3は付加反応についての正誤問題だが,
普段考えたことのない選択肢もあって難しく感じた受験生も多いかもしれない。
でも酸化数を数えてみたり、マルコフニコフ則がってどういう話だったかな?
などを丁寧に思い返せば正解できるはずの問題です。
問4 実際に異性体を書き出す作業なので、
時間を架ければ出来て当然の問題だが、テキパキできたかどうかが重要。
不斉炭素探しは楽な問題。
問5 オゾン分解は標準的な出題。これは外せない。


〔3〕希ガス、半減期,電子対の反発による分子の形の決定

半減期の問題は基本しか聞いていない。  電子対の反発:VSEPR理論については
まともな予備校なら1度は生徒に説明しているだろう内容なので,本文を深く読み込まなくても問題は解けたのではないか。


〔4〕高分子

標準的な問題。

まとめ

今回の問題は,テキパキと処理のできる実力者であれば,高得点が望めただろう。
合格点は80%程度近いのではないだろうか。
医特の塾生もこの問題は簡単だった、自信がある、と言っていたし,
その言葉通り正規合格を果たしました。①と②では相当な点数差が出たと思われます。
やはり3日間受験することが望ましいですね。

2018年度①

〔1〕COD


ブランクテストありのCOD。典型問題なので満点通過したい。


〔2〕有機化学

私のような老眼にはつらい問題だが(笑),
難しい知識を問うものではないので若い受験生諸君なら問題なく解ける問題です。


〔3〕アルミニウム


基本的な問題


〔4〕糖


基本的な問題

まとめ

今回は時間さえあれば満点取れる問題。
テキパキできる生徒が勝つ試験です。合格点は75%以上だろう。この日は当たりだったと思います。

2018年度②


〔1〕電気陰精度

「ボーリングの式」、「マリケンの式」
など高校生には耳慣れない話題だから,面食らってしまう受験生も多いと思いますが,
問題文を冷静に読み,式に代入して解いていけば正解に至る出題です。
ただ、実際の入試の際には,問題文を読みながら数値を計算していくのは
結構時間がかかる作業なので,いったん〔2〕以降の問題をやってから戻ったほうが良いだろう。


〔2〕有機化学

基本的な出題。
特に前半はテキパキ解いていかねばならない。


〔3〕鉄


基本的な問題。ミスは最小限度に抑えて通過したい。


〔4〕合成樹脂・イオン交換樹脂


少し複雑だが,典型的な問題。時間があれば高得点がとれるだろう。

まとめ

今回の問題は,①に比べ難易度が上がっている。
合格点は70%ちょいであろう。
この試験で高得点を取るためには相当なスピードが求められる。
帝京大学医学部の入試は
時間が足りない
日程によって難易度が大きく異なる
という試験です。
出来る問題をいかにテキパキ解くかが合格のカギになります。
受験生の皆さんの健闘をお祈り申し上げます!



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本田 哲生
本田 哲生
医学部特訓塾代表。化学科講師。東京大学教育学部卒業。東京大学理科二類に在籍中の1992年から,杉並区阿佐ヶ谷の地で大学受験の専門塾を設立。30年以上,大学受験の指導を続けている。どうしようもないダメな生徒を自宅に下宿させ国立大学医学部に合格させたことを契機に,医学部受験指導を開始,医学部受験指導も23年に及ぶ。2008年に小柏先生と共に医学部特訓塾を立ち上げ現在に至る。医学部特訓塾代表であり,同時に現場に立ち続ける化学講師でもある。

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